『猫撫ディストーション公式ビジュアルファンブック』の内容について

昨日確保したのに記事を更新し忘れるというミス。ぐぬぬ
見所としては、やはり松島Pのインタビュー4Pと原画・ライター・BGM担当のコメント2P、ショップ特典で使われた雑誌掲載されたイラストといったところでしょうか。


松島Pのインタビューでは原画がキャラクターをデザインするにあたり、シナリオライターから提示されたキャラクターの魂のイメージイラストが紹介されております。中々興味深い資料なので必見ですよ。
藤木隻と元長柾木が相手の書く内容を確認しながら作品を作り上げていく方式がとられていたことも判明しました。シナリオライターが本当の意味で競作できる作品というのは昨今珍しいのではないでしょうか。あの規模だからこそ出来たのだろうなとも思いますが。


元長柾木のコメントで非常に重要なワードはやはり「肯定」でしょうか。一番力を入れた箇所についてはなるほどと頷くところです。エロゲに対する姿勢は時折ご本人の発言からも窺えるのですが、13cmで培ったものはやはり大きいのだろうなと感じます。完成形を逆算してゆく作り方にしても、『フロレアール*1のようなゲームの作り方ができる人ですしね。


更にはExodus編が藤木隻と元長柾木の共作であることもほぼ疑いようのない事実であろうこともわかります。
Twitterでは書いたのですが、シーンタイトルの付け方やシナリオ内の要素の取り上げ方など、共作ではないかと考えられる点は存在していたように思います。1つのルートを共作するそのやり方は『ディファレンスエンジン』を思い出すではないですか!(それは言い過ぎですよ)


前半部のイベントCG羅列ページの(ゲームプレイ済みの人間にとっての)意味の無さや本の薄さ、その他時系列がちぐはぐに見える内容など気になる点もありますが、興味のある方は手に取っても損は無い内容ではないかと。


余談ですが、ついでに買ってきた『神林長平トリビュート』文庫版ですが、ハードカバー版発売から時を経ていることもあるせいか、著者解説の内容が現時点のものへと更新されています。元長柾木の項目も『猫撫ディストーション』や『星海大戦』に触れられているので気になった方は読んでみるといいかも。前島さんの愛が伝わってくる感。

猫撫ディストーション公式ビジュ (オークスムック 383)

猫撫ディストーション公式ビジュ (オークスムック 383)

神林長平トリビュート (ハヤカワ文庫JA)

神林長平トリビュート (ハヤカワ文庫JA)

*1:『好き好き大好き!』で使用しなかった素材を元にシナリオを書き起こしている