電妄トークライブvol.3 WHITESOFT レポート

01/28に秋葉原で開催された電妄トークライブvol.3にWHITESOFTがゲスト出演ということで何か興味深い情報が聞けるかなと思って行ってきました。
元々は発売記念サイン会のお土産の情報でも手に入れば、くらいの気持ちだったのですが、プロデューサーの松島詩史(以下、レポートでは松島Pと記載)をゲストに繰り広げられたトークはあまりに凄まじく、途方も無く濃い話が展開されてしまい、驚愕。

非常に面白い感性を持った方で、共感することしきり。
猫撫ディストーションが更に楽しみになりました。

上のようなお願いも出ているので色んな意味で危ない部分はカットもしくは全て分厚いオブラートに包んでおります。WHITESOFTより内容について問題がある等ご指摘頂いた場合は該当箇所を削除する予定です。ご了承ください。

また、時系列よりも内容としての見易さを重視し、箇条書き形式で読みやすいように纏めています。
話の流れは意識していますが、実際のトーク内容、意図と比べてズレがあるかもしれませんのでご注意ください。

楽しんで頂けたら何よりです。


-----●制作の経緯など

ライターの起用について。
・藤木隻:(松島Pの)前の会社が一緒だった縁。彼の得意なジャンルをやってもらうことに。
元長柾木:以前別のゲームを作っていたのだが、色々あって話自体が無くなってしまった。改めて今回シナリオライターとして参加してもらった。

当初、シナリオライターの二人ともがみんながチヤホヤしてくれると言わんばかりの学園モノを企画として提出してきたので、(松島Pが)「オレはこういうものが見たい」!と真っ向からダメ出しして企画を皆で作り直した。

ユーザーからストーリー紹介の内容がわからないとのメールが来たので流通に怒られたのでわかりやすいバージョンのストーリー紹介を作った。

二人ともシナリオライターとしては久々だったのか、無難なものがあがってきたのでダメ出ししたのが延期の原因。

皆が作りたいものを作っている。


-----●猫撫ディストーションはどんなゲームか

猫撫ディストーションは「意味がわからない」のがウリ(笑)

単純に家族をテーマとしたゲーム。
CLANNAD』をやろうとしたら『家族計画』になったようなイメージ。

妹が生き返るのはたいした問題じゃない。
むしろ、幼馴染み(柚)が一番異質だ、というのがシナリオライターたちとの一致した見解。
他のキャラクターは自分の目指す家族像へ一直線に向かっているのに、幼馴染みという記号的存在が一人だけ成長して違う人間になるのがおかしいという理由。

動物が人間になったことをどう思うか?
例えば、動物から人間になり、火を使うことは進化と思えるかどうか。
(司会の今俊郎からは「どうでもいいよ(苦笑)」とのツッコミが)

10年前のゲームを作っていると思ってくれて構わない。
元長(柾木)なんて昔とまったく同じです。1998〜2002くらいの頃と一緒。

ギズモは藤木隻がシナリオを書いた『ELYSION』に出てくる猫*1
式子は元長柾木の『未来にキスを』の登場人物からそれぞれ名前を取っている。
こういった部分でも楽しんで貰えたら。

面白いと思って貰うために苦心している。
最初にプレイしたキャラのルートが面白いと思っても、未プレイのキャラのルートの方が更に面白いのではと期待してしまうと、最初のルートの面白さは実際の80%くらいに抑えられてしまう。
推奨のキャラクター攻略順を用意しているし、自由に攻略順を決めたいプレイヤーにも、どのキャラクターをやっても面白いと思って貰えるように努力している。

「メッセージウィンドウは画面の下の方にあるもの」という固定観念に囚われず、もっと面白いことができるんじゃないかと挑戦している。
様々な場所にウィンドウを出すことができるし、手紙を読むシーンでは、手紙に近い文字の配置をしている。ラストの方ではノベルのようなシーンも。

最初から面白いと思ってプレイするゲームは何も考えずにプレイしてしまっても一番面白いゲームになる。
そうではなく、猫撫はプレイした後に考えてほしい。

結局のところ、わからなくても「なんとなくわかったつもりになればいい」ゲーム。


-----●体験版について*2

体験版の感想で面白いと言われることが不満。
ブログなどを調べても、面白いという感想しか出てこない。
(「興味がある人しかやっていないんだよ」とのツッコミ)
「人を選ぶけど面白い」という括りになっているが、賛否両論が出ると思って作っている。
むしろ「人を選ぶから合わない」と言われるくらいのつもりだったのに。
つまんない、わかんないって言われたい。

自分(松島P)と同じ感覚の人がいるのが信じられない。
ドMなので(笑)、猫撫製品版をプレイして早く「合わない」「つまんない」って言ってもらいたい。

<追記>
http://asitagamienai.blog118.fc2.com/blog-entry-888.html

「面白いと言われることが不満」等の部分が一方的な解釈のもとに拡散されてしまいそうなので少々補足したいと思います。

上の記事の387の発言を引用しますが、

387 名前: 名無したちの午後 [age] 投稿日: 2011/01/30(日) 17:36:43 id:qKqsASfr0
実際イベント会場に居たからレポを字面だけで見てる人につけくわえておくと、
猫撫の10年前ってのは学園モノで右へ習えの似通ったゲーム全盛期の昨今、
この人だったらこういうのが見たいというクリエイターの個性を生かして
あの時代位とがったコンセプトととがった内容って話だったはず。
実際エロ助とか高得点だし、面白いという他に合わないっていう意見がある位の
ゲームだと思うけどそういう意見も聞いて勉強したいという内容。
ここに関しては司会の今さんもちゃんと「合わなかった人はわざわざレポあげないだろ」って突っ込んでたけど。

実際にこのような内容であったと記憶しております。
トークライブ全体を通じて、挑戦的であると同時に、面白いゲームを作り売っていくことに対するひたむきな姿勢が伺えました。
こちらのレポート内容が言葉足らずであったため、誤解を生む結果になってしまったことは深く反省しております。申し訳ありませんでした。


最後に、WHITESOFTの松島さんとのTwitter上でのやり取りを掲載しておきます*3
逃げ道を作るためではなくマイナス面もできるだけ改善することでより良い作品にしたいという気概に溢れた発言であると自分は判断しております。
共感して頂ける方が増えるといいなと思いつつ。


-----●発売に向けて・これからの予定

実はED曲はまだできていない*4
素晴らしい歌を歌う方*5に歌って欲しいなと思って、大物作曲家*6に依頼したら、ワルシャワ・フィルハーモニック・オーケストラを使いたいという話になったので、無理だなと。

予約特典の小冊子ではOP曲の歌詞がわからないというメールが100通くらい来たので、歌詞を掲載することに。
藤田淳平からは小冊子用にと楽譜が送られてきた。16Pもあるので全部は無理だが、3Pくらいは載せる。

発売日当日か翌日に秋葉原でサイン会を開催。
どの店舗で購入したとしても参加できるようにする予定。まだ詳細は決まっていないが、2月初めには告知できるはず。
お土産はCDを予定*7

次の新作もやらかす予定。
スタッフはもう決まっていて動いている*8

*1:この部分でギズモルートが藤木隻担当であることを確信。ELYSIONにもドンピシャなセリフがあったので、それがまず出発点だったのだけど、そのことについて日記が書けないジレンマ。新年一発目にクリアしたのに。

*2:この箇所についてはネタとして言っている部分もあるのかなと感じました。広く浅くではなく、狭く深く売ろうとしている意識から来ているのかなとも。

*3:やり取り自体はたまたま発生したもので、今回のことを受けてではないのですが。

*4:具体的な進捗や日程の話もしてたけど当然伏せる。不安なのは、元長作詞の可能性が相当に減っていること。

*5:怖くて書けない。超売れっ子

*6:アニメでは15年くらいやっている超人気作曲家

*7:敢えて伏せますがとんでもない内容になりそう

*8:最後のオフレコ部分。本当にシャレにならない。ただ、期待して良いし、ウチは大プッシュします。後は察してくれと。